葬儀・家族葬ブログ
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ご葬儀のこと
2024/07/01
遺影写真にふさわしい写真の選び方・撮り方
遺影写真にふさわしい写真の選び方・撮り方、生前遺影撮影についても解説します。
葬儀の際に祭壇などに飾られる「遺影」ですが、どのような写真が遺影にふさわしい写真なのでしょうか。実は、遺影写真は逝去後すぐに求められることが多く、じっくり選ぶ時間があるわけではありません。そのためご家族様は限られた時間の中でふさわしい写真を慌てて探さなければなりません。そんなこともあり、最近は「終活」の一環として遺影写真をご自身で準備しておいたり、「生前遺影撮影」のようなサービスを利用される方も少なくないと思います。
そこで今回は、遺影写真にふさわしい写真の選び方や撮り方、また生前にご自身で遺影写真を準備するにはどうすればよいかなどを解説したいと思います。
遺影写真とは?
お通夜や葬儀の際に祭壇や焼香台に飾られている故人の写真のことを「遺影写真(いえいしゃしん)」といいます。遺影写真は、残された方々にとっては、亡くなった方を悼むためのものであると同時に、大切なご家族が生きていた証を残すためのものでもあり、葬儀後も何世代にもわたって受け継がれ残されるものです。
遺影写真の飾り方
葬儀後、遺影写真は四十九日までは後飾り壇に飾られ、四十九日を過ぎると仏壇の近くに飾られることが多いです。昔は仏壇のある部屋に先祖代々の遺影が壁掛けされているなどの様子もよくみられました。しかし現代は住環境の変化から飾る場所がなく、納骨のタイミングで片付けるご家庭も多いようです。飾らない場合でも、初盆や法事で必要になる可能性があるため、大切に保管しておきましょう。
遺影写真はいつまでに用意する?
遺影写真はお通夜にも必要ですので、それまでに選んで加工・プリントする必要があります。一般的にお通夜はお亡くなりになられてから1日後に行われますので、冒頭にも触れた通り、葬儀の準備の中で遺影写真をじっくり選んでいる時間はなく、逝去されてすぐに必要になることを覚えておいてください。
遺影写真を選ぶ時のポイント
さっそくですが、遺影写真にはどのような写真がふさわしいのか、選ぶ際のポイントを解説していきたいと思います。
故人様らしい写真を選ぶ
現在は加工の技術も進んでいるため、背景や服装などよりも、故人様らしい表情の写真を選ぶことが大切です。ご自宅にあるご先祖様の写真を見てもわかる通り一昔前の遺影写真は、真面目な表情の写真が好まれていましたが、現代は「にっこりと微笑んでいる写真」や「楽しそうにしている笑顔の写真」がふさわしいとされています。ご家族様から見て、故人様らしいと感じられる表情の写真を選びましょう。
カメラ目線の写真を選ぶ
葬儀では、会葬者が遺影写真に向き合う形でお別れをするため、遺影写真はカメラ目線の写真を選びましょう。
ピントの合っている写真を選ぶ
最近はスマートフォンに内蔵されている写真アプリの画素数もかなり上がってきているため、あまり気にする必要はないかもしれませんが、遺影写真には200万画素以上のデータが望ましいとされています。というのも祭壇用の遺影写真は四つ切り(縦305mm×横254mm)やA4サイズ(縦297mm×横210mm )と大きめで、元の写真を引き伸ばして使用します。そのため拡大に耐えられる画素数が必要になるわけです。また、たとえよい表情をしている写真でも、少しピントがボケている写真などは避けましょう。スマートフォンやデジカメの画面上ではさほど気にならなくても、遺影写真サイズに拡大した際にピントのズレが際立ってしまうことも考えられます。
最近の故人様の写真を選ぶ
中には、若い頃の写真を飾りたいと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、亡くなった年齢とかけ離れた遺影写真は不自然に感じてしまいます。そのためできれば直近〜5年以内くらいの間に撮影された写真が望ましいです。ただし病気療養などで直近の写真がない場合などは、お元気だった頃のお写真の中からより新しい写真を選ぶようにしましょう。
遺影写真の加工はどこまで可能?
前述した通り現代は加工技術が進んでいるため、必ずしもきちんとした服装をしていたり、ふさわしい背景の写真を選ぶ必要はありません。ただお顔の一部が見切れていたり、お顔に別の方のお顔が被っていたりする場合は難しいこともありますので、遺影にしたい写真があればまずは葬儀社に相談してみましょう。もし高度な技術が必要な場合は、別途追加料金が発生する場合もあります。
【一般的に加工が可能な内容】
✔︎故人が写っているデータだけ残して背景を差し替える
✔︎故人が写っているデータの不足部分を補填する(どこまで可能かは要確認)
✔︎服装を差し替える
✔︎色味や写り具合の補正
✔︎シミ・シワなどを消す
✔︎髪型を変える
遺影写真のサイズ
先ほども少し触れましたが、遺影写真のサイズはいくつか種類があります。
祭壇用には大きめの四つ切りサイズ(縦305mm×横254mm)やA4サイズ(縦297mm×横210mm )を用い、焼香台には小さめの L判サイズ(縦127mm×横89mm)、小キャビネサイズ(縦165mm×横120mm)、2Lサイズ(縦178mm×横127mm)が用いられます。
遺影写真の額縁や背景の選び方
遺影写真の額縁(フレーム)は、黒をイメージされる方も多いかもしれませんが、最近は様々な色や素材から選ぶことができます。額縁の素材でよく用いられるのが木製やアルミ製のものです。また柄の入ったものや、額縁の外にリボンや花などの飾り付けをすることも可能です。同じく背景色もベージュや青、グレーなど色のバリエーションも豊富なため、背景とフレームの組み合わせで、故人様らしさを表現することができます。
遺影写真の作り方
遺影写真にする写真が決まったら、必要に応じて加工して額装することになりますが、その方法は3つあります。
1 葬儀社に依頼する
最短で確実な方法は葬儀社にお願いすることです。遺影写真の加工や額装の料金は、葬儀社のセットプランの中に含まれていることが多いため、特殊な加工をしなければ、追加料金もかからずにデータを渡すだけで加工・プリント・額装までを行なってくれます。
2 写真館で加工してもらう
ほかには、写真館に依頼するという方法もあります。ひいきにしている写真館がある場合、過去に撮影した写真のデータが残っていればその写真を利用することなどもできるかもしれません。ただし加工には費用がかかります。
3 自分で加工する
ご家族・ご親族の中にデザインソフトを使える方がいらっしゃる場合は、その方にお願いするのも一つの手です。身内にお願いすれば費用もかかりませんが、プロ並みの技術を持っていないと厳しいという面もあります。また葬儀の準備で慌ただしい中、さらに手間が増えてしまうことになるため、ご家族様が行うのはあまりおすすめはできません。
生前に遺影写真を用意する方法
一昔前は、生前に葬儀のことを考えることはよくないことと敬遠されていた節がありますが、昨今は「終活」という言葉も世の中に定着し、ご自身やご家族様のために、生前に葬儀の準備を進めておくという方も増えています。
生前にご自身、またはご家族様が遺影写真を準備しておくことのメリットは、「ご自身が納得した写真を遺影にすることができる」点や、「葬儀の準備で忙しいご家族様の負担を少しでも軽くしてあげられる」点にあります。ここでは、生前遺影撮影方法や加工方法をお伝えします。
葬儀社に撮影をお願いする
一つに、遺影写真の専門家でもある葬儀社にお願いするという選択肢があります。葬儀社が専属契約しているプロのカメラマンが撮影してくれることがほとんどで、メイクなども含めてトータルでお願いできることも多いため安心して任せることができます。目星をつけている葬儀社があれば、サービスを行なっているか確認してみてもよいでしょう。また、葬儀社によっては終活フェスタなどのイベントで生前遺影撮影会を行なっているところもあります。
生前遺影撮影を葬儀社にお願いすることで、遺影撮影以外にも終活に関する知識や情報を得られるというメリットがあります。
写真館や業者に撮影をお願いする
もし、いつもお世話になっている写真館があるのであれば生前遺影撮影がお願いできるか尋ねてみるのもよいと思います。大々的に謳っていなくても対応してくれる写真館は多いでしょう。
また、生前遺影撮影を専門に行っている業者もあり、それらの中には、ヘアやメイクアップから額装までトータルで任せられるサービスもあります。こだわりたい方にはそちらもおすすめですが、その場合、料金面では高くついてしまうことも念頭に置いておきましょう。たとえばメイクアップから額装までトータルでお願いした場合の費用は4万円代になることもありますが、撮影のみの場合はその半額程度で済む場合も多いです。前述した通り、多くの葬儀社のセットプランでは、遺影写真の料金がセットに含まれていることが多いため、ひとまずデータだけ用意しておいて、額装などは葬儀社にお願いするというほうが、最終的な料金は抑えることができるでしょう。
自分で撮影する
一眼レフや良いデジタルカメラをお持ちであれば、もちろん自分で撮影するのもよいと思います。好きな背景や好きな服装をして、自分なりの一枚を形にするのを楽しみながらできると良いですね。
好きな写真を加工してもらう
ご自分で撮影したデータや、既存の写真で気に入っているものなどを専門業者に加工・プリントしてもらうこともできます。加工・プリントしてもらう場合は、店舗やインターネットで申し込むことができます。業者によってサービス内容や価格が異なるため、よく比較検討してから依頼するとよいでしょう。
火葬式・直葬の場合は遺影は不要?
最後に、火葬式・直葬の場合の遺影の扱いについてお伝えしておきます。
費用を抑えるために、お通夜や告別式などの宗教儀式を省略し、直接火葬場にて火葬を行う「火葬式・直葬」を選ばられる方もいらっしゃると思います。ただ火葬式・直葬の場合、宗教儀式を行わないため祭壇などは必要ありません。そのため遺影写真も用意する必要がないということになります。実際葬儀社のセットプランでも、火葬式・直葬には遺影写真の費用は含まれていないことが多いです。しかし遺影写真は葬儀だけのためにあるものではなく、葬儀後、ご自宅に代々のご先祖様と並んで飾られるなど、後々まで受け継がれて残されるものです。
そのため、火葬式を希望している場合でも「遺影は残したい」と考える場合は、生前遺影撮影をして残しておくことで、残されたご家族への意思表示にもなります。
まとめ
いかがだったでしょうか。
生前あまり写真に写ることが嫌いだった方の場合、いざご家族様が遺影写真をお探しになる段階になって、最悪の場合写真が見つからないということもあると思います。そうでなくとも、遺影にふさわしい写真を見つける作業は、多くのご家族様が苦労されている部分でもあります。遺影写真を選ぶ段階や撮影する際には、ぜひこのブログを参考にしてください。
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