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2025/02/10
香典の入れ方は?お札の向きや香典袋の書き方など
香典とは、葬儀や法要の際、故人への供養の気持ちを込めて供える金品を指します。通夜や告別式、法要に参列するときには、香典袋にお札を入れて持参するのが一般的です。
参列の際、香典の正しい入れ方について悩む方もいるのではないでしょうか。香典の入れ方や香典袋の書き方には、さまざまな作法やマナーがあります。香典は参列者の弔意を表すものですが、正しいマナーを知らないと失礼になる可能性があるため注意が必要です。
ここでは、香典のお札の正しい入れ方や、香典袋の選び方や書き方、香典を渡すときのマナーなどについて解説します。
香典袋への正しいお札の入れ方
香典袋には、水引のついた外袋のほかに、お札を入れるための中袋がセットになっているのが一般的です。ただ、中には中袋がついていない香典袋もあったり、中袋ではなく中包み(奉書紙・ほうしょがみ)でお札を包むタイプもあったりします。
香典袋のタイプによってお札の入れ方が異なるため、違いを確認しておきましょう。
中袋がある場合
香典袋に中袋がある場合は、お札を中袋に入れてから、外袋で包みます。お札には表と裏があり、人物の肖像画が描かれている面が表です。お札を入れる際には、中袋の表面に対してお札が裏向きになるようにすると、「故人を失った悲しみにくれて顔を伏せている」という意味を込めることができます。なお、お札を入れる際の上下の向きについては、地域によっても異なりますが、一般的には肖像画が下側になるように入れます。
中袋がない場合
中袋がない香典袋は、外袋に直接お札を入れます。中袋がある場合と同様、香典袋の表側に対してお札を裏向きにし、肖像画が下側になるように入れるのが一般的です
新札は使わない
香典を包む際、新札(いわゆるピン札)を用いるのはマナー違反とされています。これは、新札を包むと、まるで不幸が起こるのを予期して前もって準備していたかのように捉えられてしまうためです。かといって、汚れや破れのあるお札や、しわだらけのお札など、極端に使い古されたお札も失礼にあたります。香典には、適度に使用感のあるお札を選んだり、新札しかない場合は折り目をつけたりしてから包むようにしてください。
お札の種類をそろえる
複数枚のお札を包む場合は、種類を統一するのがマナーです。千円札と5千円札、1万円札と5千円札など、異なる種類のお札を混ぜないようにしましょう。
なお、香典に硬貨を包むのはマナー違反です。地域によっては焼香の際に小銭を置くことがありますが、これは香典とは別の習慣です。
お札の枚数は奇数にする
香典に包むお札の枚数は、奇数にするのが基本です。偶数は割り切れる数字であることから、「別れる」「縁が切れる」といった不吉なイメージを連想させ、慶弔ともにふさわしくないとされています。また、奇数であっても、「苦」を連想させる9は縁起が悪いとされているため避けてください。
なお、偶数枚の例外として、お札を10枚包むのはマナー違反にはなりません。ただ、同じ金額を包むのであれば、お札の枚数は少ない方が望ましいでしょう。例えば、5,000円を包むのであれば千円札5枚より5千円札1枚、1万円を包むなら千円札10枚より1万円札1枚のほうが、ご遺族にとっても管理しやすくなるからです。
お札の向きをそろえる
お札が複数枚になる場合は、すべてのお札の向きをそろえて入れます。裏表だけではなく、肖像画の上下もそろえるようにしてください。先にすべてのお札の向きをそろえてから、香典袋の表側に対して裏向きで、肖像画が下になるように入れるとよいでしょう。
香典袋の選び方
香典袋には、表書きの違いや、水引が印刷されているものと取り外せるもの、絵柄がついたものなど、さまざまな種類があります。香典を包む際、どの香典袋を選べばいいか迷った経験のある人も多いのではないでしょうか。
香典袋の表書きは、宗教・宗派によって異なります。また、香典袋の水引は黒白や双銀などの結び切りが一般的です。香典の金額が3,000~5,000円であれば、水引が印刷された香典袋を使用しても問題ありません。一方、1万円以上を包む場合は、本物の水引が結ばれた香典袋を選び、印刷されたものは避けましょう。
香典袋の書き方
香典袋には、外袋の表書きのほかにも、氏名や住所を記入する必要があります。
香典袋に表書きや氏名などを書く際には、薄墨の毛筆か筆ペンを用いるのが一般的です。これは、「悲しみの涙で文字がにじんでしまった」「突然の訃報に筆を持つ手に力が入らなかった」ということを意味するためといわれています。
ここからは、香典袋の書き方について解説します。
外袋の書き方
外袋には、水引の上に表書きを、下に香典を出す人の氏名を記載します。表書きの書き方は宗教・宗派によって異なるため、前項を参照してください。外袋や短冊に表書きが印刷された香典袋を用いても問題ありません。
水引の下部分に記入する自分の氏名は、表書きより少し小さい文字で書きましょう。なお、複数名で香典を包む場合は、以下のように書きます。
・夫婦連名の場合
中央に夫の氏名を書き、その左横に妻の名前のみを書きます。
・3名までの連名の場合
友人や同僚などと連名で香典を包む場合、3名までであれば、全員の氏名を書きます。職場関係の場合は、一番右側に会社名を記載し、右側から順に目上の人→目下の人になる順番で氏名を書きましょう。上下関係がない場合は五十音順で氏名を書いてください。
・4名以上の連名の場合
外袋に記載する氏名は3名までにするのがマナーです。4名以上の連名で香典を包む場合は、代表者のみ氏名を記載し、その左側に「外一同」または「外◯名」と書き添えます。
中袋の書き方
中袋や中包みには、表側に包んだ金額を、裏側に香典を出す人の住所・氏名を記載します。文字の向きは、いずれも縦書きです。
表側には、中央に「金◯◯圓也」と書きます。金額を記入する際には、数字の改ざんを防ぐために、日常的に用いる単純な漢数字ではなく、壱、弐、参など「大字(だいじ)」と呼ばれる旧漢字を用います。主な常用漢字に対する大字は下表のとおりです。例えば、3,000円なら「金参仟圓也」、1万円なら「金壱萬圓也」となります。
中袋の裏側には、香典を包む人の住所と氏名を記載します。葬儀後、喪主やご遺族は、中袋に書かれた情報をもとに香典返しやお礼状の手配を行います。そのため、郵便番号や建物名なども省略せずに正しく書くことが大切です。連名で香典を包む場合、中袋には代表者の住所・氏名を記載し、お札とともに連名者の住所・氏名を記載した紙を別途添えておくとよいでしょう。
なお、中袋への記載にあたっては、薄墨ではなく普通の墨で問題ありません。また、中袋には外袋よりも多くの文字を書かなければいけないため、毛筆や筆ペンでは細かい文字がつぶれたりにじんだりしてしまうことがあります。そのような場合は、ボールペンや万年筆、サインペンなどを使用します。多くの人の目にふれる外袋とは異なり、中袋は記載事項を正しく伝えることが重視されるからです。
また、中袋や中包みがない香典袋の場合は、外袋の裏面に裏面で住所と金額を記載してください。
香典袋の閉じ方
香典袋には、お札を入れた後の閉じ方にもマナーがあります。中袋、外袋のそれぞれについて、閉じ方のマナーを確認しておきましょう。
中袋:封をしないのがマナー
お札を入れた中袋は、封筒のフタ部分を折り返すだけで、のりやシール、テープなどで封をしないのが一般的なマナーとされています。市販の香典袋には「〆」や「緘」などのシールがついていることがありますが、基本的には使用しません。中袋をのりやシールで封をしてしまうと、葬儀後にご遺族が金額を確認する際に手間がかかってしまうからです。中袋がない香典袋の場合も、のりやシールでとじる必要はありません。
ただし、地域によっては中袋を閉じる風習があるため、気になる場合は、しきたりに詳しい人に事前に確認しておくと安心です。
外袋:折り込み口を上に被せる
外袋は、1枚の和紙を折りたたんで水引をかけるタイプが一般的です。広げた外袋(和紙)の上に中袋を置いたら、左開きになるように右→左→下→上の順に折り、最後に折り込み口を上から下に被せます。折り込み口が下向きに被るようにするのは、「悲しみの涙を溜め込まないように」という気持ちを表すとされています。逆に、折り込み口を下から上に被せると、慶事(祝儀袋)の折り方になってしまうので注意しましょう。
香典袋の包み方
香典袋を持ち運ぶ際は、そのままバッグやポケットに入れるのではなく、袱紗(ふくさ)に包むのがマナーです。袱紗とは、冠婚葬祭の場で金封を包む布のことで、四角い布を折りたたんで金封を包むタイプと、金封を挟めるようにポケット状に作られたタイプなどがあります。弔事で用いる袱紗は、藍色やねずみ色、紫色など、暗めの色を選びましょう。
布を折りたたむタイプの袱紗を用いる場合は、香典袋(外袋)の閉じ方と同様に、左開きになるように包みます。
香典を直接渡せないときは?
本来、香典はご遺族に直接手渡しするのが礼儀です。一般的には、通夜または告別式に参列した際に、受付で香典を渡します。
しかし、都合がつかなかったり遠方に住んでいたりして、通夜や告別式に参列できないケースもあるかもしれません。その場合は、次のような方法で弔意を表すとよいでしょう。
香典を郵送する
香典を直接渡せない場合、郵送という方法があります。手渡しの場合と同様に香典袋を用意し、参列できないお詫びや弔意をつづったお悔やみ状を添えて、現金書留で送ります。香典を郵送する場合も、香典袋の包み方や書き方のマナーをしっかりと守ることが大切です。また、事前に香典を送る旨をご遺族へ伝えておくとよいでしょう。
弔電・供花を手配する
香典を郵送する代わりに、弔電や供花を手配して弔意を伝える方法もあります。
弔電を送る場合は、訃報を知り、自身が通夜や告別式に出席できないとわかったらすぐに手配することが大切です。送り先は通夜が行われる斎場とし、遅くとも告別式までには届くように手配をしてください。
また、供花を手配するには葬儀社や葬儀会場に依頼するほか、花屋やインターネットで注文するなどの方法があります。通夜は18~19時頃に開始となるケースが一般的です。供花が祭壇に飾られるよう、開始3~5時間前には届くように、通夜当日のお昼前後までに注文しておくことをおすすめします。
なお、弔電や供花を手配する前には、ご遺族から辞退の意向がないかを事前に確認しましょう。弔電・供花辞退の意向がある場合は、贈らないのがマナーです。
香典の入れ方やマナーを確認しておこう
葬儀や法要に参列する際、香典の正しいマナーを知らないと、ご遺族に対して失礼になってしまう可能性があります。特に、通夜や告別式は突然知らせを受けることも少なくありません。いざというときに慌てないように、香典の入れ方やマナーをしっかりと確認しておきましょう。
また、葬儀や法要を執り行う際にも、参列者から香典や弔電に関する問い合わせを受ける可能性が考えられます。香典を包む側も受け取る側も気持ちよいやりとりができるように、基本的なマナーを知っておくことが大切です。香典や弔電、供花などについて疑問がある場合は、葬儀社へ相談することをおすすめします。
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